先日ある一流大企業の製薬会社のMRさんがお越しになって、お話を聞きました。
自社製品を売り込むためのやらせインチキ研究助成、いわゆる販促研究は社会的信用も
ないしかえって製品イメージを下げるしいい加減、やめにしました、という話を聞いて
いたのですが、
「企業メセナって言うか、そういうノリで研究を援助する方向になっているんですね・・・」
とお話しすると、メセナの意味がおわかりではない!
聞いたことがない、
キケロって知ってる?→知りません
アウグストスっていうか、オクタビアヌスは?→知りません
カリギュラもネロもクラウディスも、誰も知らん!
アントニウスも当然知らず。だったらクレオパトラとアクチウムの戦いとかもぜんぜん
知らない!
ぶったまげました。
ローマ政治史、とまで行かない、マンガで十分に知ることができる知識。
言わずと知れた、西欧の教育の基礎はローマ政治史です。
これを知らずして欧米人とビジネスはできません。
三国志を知らない中国の人はいっぱいいますが、ローマ史を知らない西欧人はまず
いません。
(中国の人が教養がないというのではなく、三国志は日本人が狂喜乱舞するほどあまり
重要視されていないようです。物語ですから確かにそうですね。私も個人的には貂蝉より
西施~呉越春秋ですから・・・)
ローマ帝国史をぜんぜん知らない!これはきつい、実にきつい現実です。日本企業は
土台から崩壊しています。
そのMRさんに出身大学を聞くと関西学院大学社会学部。社会学部ってどんなところで
しょう?ニュースゼロの村井さんが教鞭を執っていたり、大リーグで「秘密兵器」
として活躍した田口壮一選手(「秘密のまま終わりましたがな」、と本人弁)を
輩出したアメフトでも有名な結構偏差値の高い大学です。
大学のせいでは決してないのですが、この人は一流と言われる製薬会社にいて、メセナ
も知らん、CI広告も知らん、affluenzaという言葉もぜんぜん聞いたことがない・・・。
一昨年の8月15日、NHKの番組で
「最近の若者で8月15日が何の日か知らない人が多いんですよ」
とやっていました。NHKならではのやらせなのでしょうが、そこにコメンテーター
として百田尚樹さんが出演していて、
「彼らはそんなことも知らないでいったい他に何を知っているんでしょうね?」
そんな気持ちになりました。
沖縄北方担当大臣が「歯舞ってなんと読むの?」という残念な事件が先日報道されて
いましたが、彼女は「歯舞」は読めなくても多嘉良、瑞慶覧、古謝、金武、慶田城は
読めるでしょうからまだまし?