「苦しゅう来る波 女子(うなぐ)身 悲し~」
南西諸島の「かなし」は「愛し」でもあり「美し」でもあります。
古語がそうだから。
例:置きてゆかば 妹はまかなし
もちいたる 梓の弓の綱手にもがな
(ところで万葉集のこの歌ってそのまま伊勢物語の「梓弓」につながってますよねぇ!)
つまり折口信夫・内藤湖南の「方言周けん説」です。
先日、若松英輔さんのお話を聞いてそう思いました。
悲しい、と哀しい、と愛しいと美しい。
幸せでもなにげに涙が出てくる。
哀しくても涙が出てくる。
アンビバレンス、というより同じなんですね。