今日は南町田の109シネマに映画を観に行きました。
まず観たのは「ちはやふる」の上の句、下の句
素晴らしい!実に素晴らしい映画でした。
「千早ぶる」は単なる「神」の前に来る枕詞、と聞いていました。
吉原の千早太夫のことだと思っている方もいらっしゃると思いますが、
実はちゃんと意味があって、しっかり回っているコマが全くぶれずに
微動だにせず回っている、そういった堂々たる力強さを意味するのだ
と説明されていて、自称文化人としては目からウロコでした。
「短歌は今で言うツィッターのようなもの」という解釈にも感心させ
られました。
行成の恋文に清少納言が
「夜を込めて鳥の空鳴を謀るともよに逢坂の関はゆるさじ」
と孟嘗君の鶏鳴狗盗の故事を引用して断ったのに対し、
「逢坂は人越えやすき関ならば鳥鳴かずとも開けて待つとか」
と負け惜しみで返したというのはまさにラインのやりとり。
定家は連作品としてこちらを選ぶべきですよね。
現実の百人一首の全国高校選手権ではやはり句の題材となっている
京都と奈良の高校が強いのでしょうか?
百人一首は中学2年生までに全部覚えました。
中学の寮の部屋対抗のカルタ大会が正月にあったからです。
けっこう熱中しました。
中学三年生では優勝しました。
経験ある人なら誰でもそうだと思いますが、試合が終わった後の
爽快感は格別です。集中しきった後の開放感はほとんど快感と
言っていいでしょう。映画「ちはやぶる」ではそれが非常によく
描かれていました。本当に素晴らしい映画だと思います。
私は子供に百人一首を中三の正月までに全部覚えるように強制
しました。
その副産物でしょうか、ふたりとも大学入試のセンター試験では
古文は満点(50点)でした。
1000年前の人々の情念がこもった31文字です。
百首あれば誰にもお気に入りの歌があります。
私のお気に入りも「龍田川」。今でも紅葉の名所です。小さいときに
親に連れて行ってもらったかすかな記憶があります。それと、
ふられて関東に傷心旅行に出かけたあの情けない業平の作だからです。
実朝は大河ドラマで篠田三郎さんが演じたのですが、そのイメージが
あまりにピッタリで、たぶん間違いなく篠田さんは百人一首の
「世の中は・・・」から実朝のイメージを作っていかれたのではないか、
と想像しています。
それにしても大河ドラマのイメージが私の歴史観を作っていますね。
道三→平幹二郎
政子→岩下志麻
光秀→近藤正臣
秀吉→竹中直人
将門→加藤剛
納屋助左衛門→幸四郎
信長→高橋秀樹
高杉晋作→中村雅俊
稲→浅丘ルリ子
ここから抜け出れません!